【健康】くも膜下出血 術後経過観察から水頭症 高齢の母の闘病記⑤

こんにちは、うさです。
お読みいただきありがとうございます。

卵巣腫瘍の摘出術をしたその夜、血圧の急上昇から
くも膜下出血を起こして緊急手術をした高齢の母。

術後の経過観察とその後つづく闘病の記録です。

前回の闘病記はこちら→【健康】くも膜下出血 検査から手術 高齢の母の闘病記④

くも膜下出血の発症や手術した場合の治療期間は、3~6週間くらいといわれます。

その中でも、術後の1日、そして術後2週間までの間に
いくつかの注意する場面があるといわれています。

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Contents

くも膜下出血の発症直後の経過観察

くも膜下出血の急性期の治療のポイントは、脳動脈瘤の再破裂と、
血管攣縮を防ぐことです。

動脈瘤の再破裂の可能性がもっとも高いのは、
発症後24時間以内で、発症率は約5パーセントです。

その後はだんだんと再破裂の危険性は低くなりますが、
4週間くらいは注意が必要です。

脳血管の再破裂の他に気をつけなければならないことは、血管攣縮です。

破裂した脳動脈瘤により脳の血管が縮み(脳血管攣縮)、
血の流れが悪くなるため血流が途絶えて、脳梗塞を併発することがあります。

血管攣縮は、くも膜下出血を起こしてから3~5日目位から始まり、
2週間くらい続きます。

意識状態が低下したり、会話が急に困難になったり、身体に麻痺が発生するなど、
さまざまな症状が挙げられます。

くも膜下出血を起こした人の約30%が血管攣縮を起こし、
そのうち半数が脳梗塞を起こしているといわれます。

脳血管の攣縮の予防のため。塩酸ファスジル、オザグレルナトリウム、
カルシウム拮抗薬などを使用し予防します。

くも膜下出血が幸いに軽症であっても、
発症してから2週間位は目がはなせないのです。

くも膜下出血の治療期間と合併症

くも膜下出血の治療期間は、およそ3~6週間といわれます。

くも膜下出血による後遺症もたくさんあります。
後遺症というよりも、繊細な脳の中で起きるくも膜下出血には、
その発症から治療期間に起きる症状・合併症(続発症)があります。

くも膜下出血の後遺症

くも膜下出血がいったん落ち着いてから長く続く症状として、次のようなものがあります。

1.脳組織の出血性損傷による高次脳機能障害

2.脳組織の出血性損傷による運動障害

3.症候性てんかん

4.意識障害のための栄養不足や衰弱

5.意識障害のための肺炎や敗血症、尿路感染などの感染症

くも膜下出血の合併症

繊細な脳内で起きるわずかな出血は、脳の中にあるたくさんの神経や
血管など、さまざまな機能に影響をあたえて、

くも膜下出血の発症から治療中には
いろいろな症状があらわれることがあります。

1.血管攣縮のための脳梗塞

2.正常圧水頭症

この他に、後遺症で述べた
意識障害や高次脳機能障害、運動麻痺、感染症や衰弱
合併症として急性期治療の間にあらわれることがあります。

意識障害

くも膜下出血を起こしてからそのまま意識が戻らないことです。
強い刺激を与えてもまったく反応しない深い昏睡状態のものから軽いものまであります。

意識がなければ、運動能力も衰え、また栄養不足や衰弱にも
あわせて対処しなければなりません。

高次脳機能障害

くも膜下出血のために、脳組織が壊されて起こります。

知能の低下や記憶障害、人格障害、失語症、問題解決能力の低下などがあります。

発症前には当たり前に出来ていたはずのことが急にできなくことがあります。

正常圧水頭症

脳の中には脳室とよばれる場所があります。
ここでつくられた髄液が、くも膜下腔に流れ込みます。

髄液が過剰につくられたり、吸収されにくくなるために、
脳室が膨らんで大きくなっているものを水頭症といいます。

脳はその周囲を硬い頭蓋骨で囲まれているので、その圧力の逃げ場がなく
髄液にも圧力がかかります。

そのために脳内の神経などさまざまな機能に刺激をあたえ、
認知症のような症状があらわれたり、運動機能に影響があらわれたりします。

高齢の母の術後経過

術後の母は、脳内にたまった髄液をゆっくりと体の外へ
抜くための管を設置したり、痛み止めなどの処置をして

とりあえず術後24時間内に心配される再破裂や血管攣縮は
ありませんでした。

第一関門クリアか?

と数日は思っていました。

それまで、卵巣腫瘍摘出のために、栄養管理と体調管理のために
術前2週間の入院をしていました。

「3度3度食事が来るけれど、寝たままなんだから食べたくない。」
とその期間は、頭痛のために動きたくなくて寝てばかりでした。

そのまま突然のくも膜下出血発症、
そして手術となったので、結果1か月寝たきりです。

筋肉は衰える一方です。
立ったり歩いたりはもちろん、自分で座ることも困難でした。

運動能力衰えまくりです。

本人の「やる気」も衰える…というか、なかば投げやりになって
動く気力もなくなっていました。

頑固ババァ…と焦る私は何度心の中で叫んだことでしょう。

「あとは水頭症の心配だけで、
2週間は様子をみて、何もなければ次の段階、リハビリへと進みましょう。」

との主治医の説明を受けました。

がんばれ、母よ!! 食べろ、母よ!!

それから2週間。

「あれっ?」と思ったのは…
一瞬私が分からない?
数年前に亡くなったはずの父が向かいのベッドにいると言い始めた?

話の内容が数十年も前のことになっている?

あれれーっ?!

はい、そうです。
くも膜下出血の教科書があるとしたら、教科書どおりに

「正常圧水頭症」を発症してました(T_T)

認知症につながるかもしれない「せん妄」も起こり始めたようです。

高齢の母の闘病は、まだまだ続きます。