こんにちは、うさです。
お読みいただきありがとうございます。
卵巣腫瘍の摘出手術を受けて、手術当日の深夜に
「くも膜下出血」で急変した高齢の母。
その検査から手術までの記録です。
Contents
くも膜下出血かどうかの検査
激しい頭痛などがあった場合、第一に行うのは
「くも膜下出血」かどうかを確認するための検査を行います。
CT検査と腰椎穿刺
出血があった日に頭部CT検査をすれば、90%以上の確率でくも膜下出血があると診断ができます。
逆に、くも膜下出血ではないことを断言するのは、むずかしいようです。
症状として、くも膜下出血が疑われるのに、CT検査で出血が確認できない場合もあります。
激しい頭痛が起きてから、落ち着いたから数日放置しておくと、血液が吸収されてしまう場合意もあるようです。
このような場合は、腰椎穿刺(ようついせんし)を行い確認します。
【腰椎穿刺】
腰の脊髄に針を刺して、脳脊髄液を取ります。
正常ならば透明な髄液ですが、血液が混ざっていたり、髄液が黄色くなっていたら、過去にくも膜下出血を起こしていたと診断ができます。
MRI、CTAなどの脳血管造影検査
脳血管造影の検査でわかることは次のようなものです。
くも膜下出血の原因
動脈瘤の破裂によるものなのか、脳動静脈の奇形によるものなのかなど、
出血を起こした原因がわかります。
動脈瘤の大きさ
出血を起こした動脈瘤の位置やその大きさ、数がわかります。
また、未破裂のものがあればその位置や数などがわかります。
くも膜下出血の手術
脳動脈瘤が破裂して起こるくも膜下出血の治療として、
出血を止める薬は現時点ではないので、手術によって止血することとなります。
また再破裂を防ぐためにも、なるべく早期に手術をする必要があります。
クリッピング手術
頭蓋骨の一部をはずして、脳動脈瘤の根元に金属製のクリップをかけ、
血液が動脈瘤に流れ込まないようにする手術のことです。
開頭して直接動脈瘤を見ながら行うために、確実にクリップをかけることができます。
コイル塞栓術
脳動脈瘤の中に、プラチナ製の針金を詰めて、脳動脈瘤内で血液を固まらせる方法です。
開頭せず、大腿動脈からカテーテルを挿入し、X線で透視しながら慎重に脳の動脈瘤まで進めていきます。
太ももの動脈に針を刺すだけなので、クリッピング術よりも患者にとっては負担が少ない方法なります。
しかし、この方法では動脈瘤内にコイルを詰めるだけなので、動脈瘤内に完全に血液が行かなくなるわけではありません。
直接クリッピング手術することが難しい場所にある脳動脈瘤や、重症者、高齢者の場合にこの術法を選ぶことが多いようです。
高齢の母の手術
腹部の手術当日夜、血圧急上昇によりくも膜下出血を発症した母。
検査のあと、早朝より緊急に手術が決まりました。
・高齢であること
・その日に腹部の大きな手術をした直後であること
・脳動脈瘤が雪だるまのように二つつながってできていたこと
これらの理由から、開頭することは危険だと判断され、コイル塞栓術となりました。
術式の説明、麻酔の説明、後遺症の説明などを受けた後、
母はふたたび手術室へと…。
3時間くらいのち、無事に雪だるまの頭部分にコイルを詰める手術が終了しました。
24時間の経過観察とこの先の処置へと、長い長い闘病へと突入しました。