老後の資金を考えるにあたり、会社に勤めるサラリーマンがいずれぶつかる壁
「役職定年」を頭に入れておきましょう。
「役職定年制」とはなんでしょう。
役職定年制とは
「役職定年制」とは、部長や課長など役職についている社員に設けられる人事制度で、
定年前の一定の年齢に達すると、管理職から外れるという制度です。
厚生労働省の中央労働委員会が公開している
「退職金、年金及び定年制事情調査」平成21年(2009年)のデータを参考にすると、
資本金5億円以上かつ従業員数1,000人以上の大企業に対する調査の結果、
役職定年制度のある企業は47.7%で、ほぼ半分でした。
役職定年の始まりは何歳からなのかは、企業によって規定が違いますが、
おおむね60歳定年の企業では、その数年前55歳~57歳くらいで役職定年となることが多いようです。
勤務先の規約等にきちんと書かれていることが多いのですが、
慣習により行われている企業もあるようですね。
役職定年後の仕事や給与は?
役職定年を迎えると、管理職ではなくなります。では、役職定年後はどのような仕事内容になるのでしょうか。
単に役職から外れ、同じ会社に勤め続けるという会社がほとんどです。
関連企業へ出向したり、得意分野のスキルを評価されて専門職になる場合もあるようです。
管理をする立場ではなくなりますが、それまでの仕事の実績を生かして後進の指導にあたるなどです。
会社としても、役職経験者を引き続き活用できる場があるために有益といえるでしょう。
次に、給与面ではどうなのでしょうか。
役職から外れることによって役職手当が無くなりますから、給与は減額です。
専門職としての道を進んだ場合には、それ相当の手当があることもあるかもしれませんが、全体的にはこんなケースは少ないようです。
役職定年となった場合の給与は、それまでよりも下がることは覚悟しておきましょう。
まとめ
アラフィフの私たちが老後の資金を考えるにあたり、役職定年による減収を考慮しておきましょう。定年直前で計画していた額の預貯金ができなくなり、老後の資金に影響が出てきます。
そしていざ役職定年になったら、その時は
定年までの数年間により綿密な終活を始められるチャンスだと思います。
いずれは離れる会社。会社中心だった自分自身の生活を見直して、
退職後の生活を考える良い機会だとも思います。