お盆が近づいてきました。
我が家は仏教なのですが、お寺さまに読経していただいたり、今から段取りをしておこうかな…と思っています。
こんにちは、うさです。
お読みいただきありがとうございます。
数年前、実父が亡くなった時の話です。
父は本当は曹洞宗の家に生まれた人でした。
結婚して母の生まれ育った地に移り住み、母の実家は昔からの浄土真宗です。
この地域も浄土真宗が多いところです。
葬儀や法要に接する機会があったとしても、
浄土真宗での儀式を目にすることが多かったはずです。
父自身あまり宗教・宗派にこだわることもない人でしたし、
両親ともに特に強い信仰心もなかった記憶があります。
その証拠に私自身も「あなたの宗派は?」と聞かれたら、
「浄土真宗です」と答えるものの、特に何かしているわけでもありません。
その父が亡くなった時に、
「葬儀をどの宗派でおこなうか」で母と悩みました。
Contents
あなたの家の宗派は何ですか?
宗旨と宗派
葬儀や法要を執り行う時に、
その家の宗旨や宗派が大事なポイントになります。
「あなたは自分の家の宗旨・宗派を知っていますか?」
という質問に対して
「知っている」と答えた人は7~8割だったと聞きました。
現在の日本では、葬儀などは無宗教も含め、仏式で行うことが多いのではないでしょうか。
宗旨ってなんだ?
宗旨とは
1.宗門の信仰内容の主旨として説くところ。ある宗教の教えの中心教義。
2.一つの宗教の中の流派。宗門。宗派。
3.その人のもつ主義・主張・趣味。好みのやり方や考え方。(コトバンクより)
宗旨とは、さまざまな宗教の、その中心となっている教えのことです。
一般的には「その人が信仰している宗教のこと」です。
仏教や神道、キリスト教、イスラム教などです。
ではこれが分かっていれば葬儀や供養で困らないのでしょうか?
ここではっきりさせておく必要があるのが“宗派”です。
宗派とは
①同じ宗教の中での分派。宗旨の流派。
②(技芸などの)流派。流儀。(コトバンクより)
同じ教義でも、その解釈によってたくさんの捉え方があり、いくつかに分かれていきます。
宗派とは、分かりやすくいえば、
それぞれの宗教の中で、さらに細かく分かれている派閥のようなものです。
ひとつの宗派からさらに「〇〇宗〇〇派」などと細分化されていきます。
葬儀や供養などのときには、
この「〇〇宗〇〇派」というところまで知っておく必要があります。
宗派がわからないとどうして困るの?
宗旨や宗派を知らなかったために、葬儀や供養などの際に
思わぬトラブルに巻き込まれることがあります。
お墓に入れない
普段から菩提寺との付き合いがあればよいのですが、
現代では実家の菩提寺がわからない、菩提寺は持っていないという場合が多くなりました。
「宗教の自由」がうたわれる現代、親や親戚とは違う宗教や宗派を選んでいる人もいるでしょう。
自分の信仰する宗派で肉親の葬儀をして、実家の菩提寺にある墓に納めようとして
「宗派が違うから受け入れられない」と断られたというケースもあります。
では、そんな場合はどうすればよいのでしょう。
宗派を問わないお寺を探して納骨できるかを相談しましょう。
または、宗派を問わない霊園や公営墓地、納骨堂などを探します。
散骨、樹木葬にするという方法もあります。この場合も、管理者に宗派に制限があるかどうかを確認する必要がありますね。
宗派の勘違い
たとえば「浄土真宗」と思い込んでいたけれど、実は「浄土宗」だったとか
同じ浄土真宗でも西本願寺派ではなく、東本願寺派だったとかいう勘違いによるトラブルもあるようです。
この他に、
「親からうちは禅宗と聞いていた」と、禅宗とはひとつの宗派だと思っていたために起こるトラブルもあるようです。
禅宗とは、
臨済宗、曹洞宗、黄檗宗(おうばくしゅう)のことで、臨済宗はさらに十四派に分かれます。
宗派がわからない時にはどうすればいいの?
宗旨・宗派がわからな時には、まずはきょうだいや親族に尋ねてみましょう。
先祖の墓がある場合や菩提寺がある場合は、
お墓の管理者やお寺に直接尋ねるのがよいでしょう。
聞くのは失礼では? などと勝手な判断で勘違いの宗派で葬儀をしてあとでトラブルになるよりはよいと思います。
仏壇がある場合、仏壇の本尊や掛け軸、位牌の戒名から宗派が分かります。
さいごに
冒頭の、父の葬儀の時の話です。
父の葬儀は「浄土真宗(西)」で執り行いました。
納骨する場所が、母方の菩提寺で浄土真宗のお寺だったからです。
遠い父の故郷には先祖の墓もありますが、
父のきょうだいも高齢なので、今では互いに行き来することもありません。
思いがあったかもしれませんが、現実にはこの先の供養のことを考えて、
両親が長く暮らしていたこの地に供養することを母と決めました。
父は生前、自分の葬儀や死後の希望など残していませんでした。
本当は何か伝えたいことがあったのでは…と感じますが。
いざという時に困らないように、自分の宗派を知っておくことは大事ですね。
またそれを伝えておかなければなりませんね。