「墓の面倒を見る人がいない」
「子どもたちは離れて暮らしているから墓を継承させたくない」
少子高齢化社会を背景に、新しいスタイルのお墓や埋葬方法が出てきて
供養のスタイルも多様化していることは以前にも述べました。
こんにちは、うさです。
お読みいただきありがとうございます。
近年よくきく「永代供養墓」ですが、どんなものなのでしょう。
今回は供養の形の中から、永代供養墓をみていきましょう。
永代供養墓とは、基本的に一代限りの供養の方法です。
従来のお墓のように、墓石を建て先祖供養を子孫へと継承していくものとは違います。
Contents
永代供養墓の特徴
「お墓を建立してもあとで見てくれる人がいない」
「高齢だから山奥にある家墓に参ることが困難」
「子どもたちは遠方でそれぞれ家庭を持っているから、墓の継承のためにわずらわせたくない」
などという背景から、30年位前から普及してきた永代供養墓です。
永代供養墓の種類は大きく分けると、
①個々の場所に納めるもの
②一区画に一定期間遺骨を納めて、決められた期間後他の人の遺骨と一緒に納めるもの
③はじめから他の人の遺骨と合同の場所に納めるもの
の3種類に分けられます。
永代供養墓の特徴には次のようなことが挙げられます。
①寺や霊園で供養や管理をしてもらえるので、寺や霊園がある限りは無縁仏となることがな。
②原則一代限りなので子孫に引き継ぐ不安もなく、継承者がいなくても供養してもらえる。
③一定期間後は合祀され、永久的に供養してもらえる。
④宗派にこだわらず納骨できるところが多い。
⑤合祀された後は、遺骨を取り出せず個々の供養はできない。
⑥建物内にある墓では、線香等の使用に制限がある場合もある。
などありますが、最大の特徴は
「継承者がいなくても寺や霊園が継続的に供養や管理をしてくれる」
という点ではないでしょうか。
永代供養墓の形式
お寺が運営する永代供養墓には、いくつかの形式があります。
そのひとつは、
地下あるいは半地下に骨壺を安置するための納骨室を造り、
上に像・塔・碑などを建立したものです。
合祀・合葬墓や個人墓があり、
形の上では、「納骨堂型」、「納骨塔型」、「納骨陵型」、
また、納骨室が仏壇あるいはロッカー形式になっている「納骨廟型」などがあります。
合祀式のほかにも、独立した石塔を建てる「個別墓」や、石碑を一つの区画に並べた「集合墓」といった形式もあります。
いろんな形態の永代供養墓があるので、たくさんのお墓を見学して、
比べたり検討して選びたいものですね。
納骨堂とは違うの?
本来の「納骨堂」とは、
「お墓を建立するまでの間、一時的に遺骨を預ける場所」のことをさしていました。
近年いう「納骨堂」は、建物の中に遺骨を納めるスペースを造り供養するものです。
この納骨堂もまた、永代供養墓のひとつの形態といえます。
永代供養墓を選ぶポイントは?
多種多様な形態から選ぶ
先に述べたように、永代供養墓の形態にはいろんなものがあります。
個人のもの、数人可能なもの、合祀墓、納骨堂、樹木葬など
いろいろと情報を集めたり、見学して検討します。
本当に宗派は関係ないの?
継承者がいなくても供養してもらえることが特徴の永代供養墓です。
多くは「宗教や宗旨・宗派を問わない」といわれます。
では、お彼岸やお盆の供養はどうなるのでしょう。
寺院が運営する永代供養墓の場合、
そこで行われる供養は、その寺院の宗旨・宗派に沿ったかたちで行われます。
民営の霊園の場合も、
経営に関わっている寺院がある場合は、その寺院の宗旨・宗派に沿って行われます。
自分の宗旨・宗派に強いこだわりがあるならば、
選んだ永代供養墓を運営する寺院の宗旨・宗派を、事前に確認しておく必要があります。
公営霊園の場合、
自治体の運営なのであまり特定の宗教にこだわりがないようです。
費用や追加費用の有無もチェックする
さて、永代供養料はどのくらいかかるのでしょうか。
永代供養料とは、
お墓の使用料、供養料、墓石や墓誌に名前を刻む刻字料などの料金のことです。
もちろん形態によって違いますが、一般的に、
合祀墓の場合は10万円位から
樹木葬で20万円位から
納骨堂で50万円位から
個人墓の形態で50~200万円
が目安だそうです。
※間違えやすい「永代使用料」ってなに??
「永代使用料」とは、お墓を建てる時に支払う
「土地を永代に渡って使用するための料金」のことです。
この他に、個人墓ならば墓石代や開眼供養料などがかかります。
プレートに刻字するならばプレート代も必要でしょう。
年間管理費が必要なところもあります。
費用や追加費用がどのくらいなのかを、十分に比較検討しましょう。
さいごに
継承者がいないから永代供養墓を選ぶ人が多くなった近年ですが、
ママ友ならぬ「墓トモ」という言葉が生まれたのも、永代供養墓がきっかけだそうですね。
子どもがいないとか親戚と疎遠だからという理由で、
永代供養墓を探していた人同士が仲良くなって、
「同じ墓に入ろう」という集まりができたそうです。これを「墓トモ(友)」というそうです。
継承者がいなくても楽しい人生を送り、お墓に入ってからも仲間と楽しく…ってことですね。